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神奈川県都市農業推進条例
制 定:平成17年10月18日 条例第90号
神奈川県都市農業推進条例
(目的)
第1条 この条例は、県民等が日常生活及び事業活動を通じ、都市農業による新鮮で安全
・安心な食料等の供給と、農業の有する多面的機能の恵みを享受していることを
認識し、県民の日常生活の基盤である都市農業を貴重な営みとして次世代に引き
継ぐことの重要性にかんがみ、都市農業の持続的な発展について、基本理念を定
め、並びに県及び県民等の責務を明らかにするとともに、都市農業の持続的な発
展に関する施策の基本となる事項を定めることにより、都市農業の持続的な発展
に関する施策の総合的かつ計画的な推進、食料等の安定供給及び農業の有する多
面的機能の発揮を図り、もって現在及び将来の県民の健康で豊かな生活の確保に
寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところに
よる。
(1)都市農業
都市に生活する県民に対し、新鮮で安全・安心な食料等を供給し、
及び農業の有する多面的機能を提供する役割を担う神奈川県全域で
営まれる農業(畜産農業を含む。)をいう。
(2)県民等
県民及び農業者並びに農業に関する団体(以下「農業関係団体」と
いう。)をいう。
(3)食料等
農畜産物(花き、工芸農作物及び飼料作物を含む。)及びその加工
品(農業者及び農業関係団体が加工するものに限る。)をいう。
(4)多面的機能
良好な景観の形成、防災、県土の保全、水源のかん養、自然環境の
保全、文化の伝承、情操のかん養等農業生産活動による食料等の供
給の機能以外の多面にわたる機能をいう。
(5)地産地消
地域の需要に即した生産を行い、その産物を地域で消費するための
取組をいう。
(基本理念)
第3条 都市農業の持続的な発展は、将来にわたり、県民が求める新鮮で安全・安心な食
料等が、農業者によって県内において安定的に生産され、合理的な価格で流通す
るとともに、県民の需要に応じて安定的に供給されることにより、地産地消の推
進が図られることを旨として行われなければならない。
2 都市農業の持続的な発展は、将来にわたり、多様な担い手により、まとまりのあ
る優良な農地、農業用水その他の農業資源が維持及び確保され、地域の特性に応
じた環境に調和する農業及び県民と農業者との間の交流を通じた農業が営まれる
ことを旨として行われなければならない。
3 都市農業の持続的な発展は、将来にわたり、県民が農業の有する多面的機能の恵
みを身近に享受するとともに、農業生産に当たり、都市から生じる食品廃棄物そ
の他の有機性資源を農業の自然循環機能の維持増進に活用することにより、都市
と農業の共存が図られることを旨として行われなければならない。
(県の責務)
第4条 県は、前条に定める都市農業の持続的な発展についての基本理念(以下「基本理
念」という。)にのっとり、都市農業の持続的な発展に関する総合的な施策を策
定し、及び実施する責務を有する。
2 県は、都市農業の持続的な発展に関する施策の推進に関し、市町村との連携を図
るとともに、市町村が行う都市農業に関する施策との調整に努めるものとする。
3 県は、県民等と連携し、及び協働して、都市農業の持続的な発展に関する施策を
推進するものとする。
(農業者等の責務)
第5条 農業者及び農業関係団体は、農業の有する多面的機能に関する認識を深めるとと
もに、次の各号に掲げる事項を行うよう努めるものとする。
(1)食料等の生産、流通及び販売活動並びに県民との交流活動を通じ、基
本理念の実現に向け主体的に取り組むこと。
(2)県が実施する都市農業の持続的な発展に関する施策に協力すること。
(県民の責務)
第6条 県民は、農業生産活動及び農業の有する多面的機能に関する理解を深めるととも
に、次の各号に掲げる事項を行うよう努めるものとする。
(1)県内産の食料等の消費及び利用に努めるとともに、農業生産活動への
参画及び農業者との交流活動を通じ、基本理念の実現に積極的な役割
を果たすこと。
(2)県が実施する都市農業の持続的な発展に関する施策に協力すること。
(基本的施策)
第7条 県は、基本理念に基づいて、次に掲げる施策を実施する。
(1)食料等の生産から流通を経て販売に至る過程における農薬、肥料、飼
料、動物医薬品その他の資材の使用の適正化、食料等の品質に関する
表示の適正化並びに衛生及び品質管理の普及啓発及び指導を通じて、
安全・安心な食料等の供給を推進すること。
(2)県民等が県内産の食料等を提供し、及び利用するための生産体制及び
販売体制の整備、食料等の円滑な流通の促進並びに県内産の食料等
(飼料作物を除く。)の銘柄の確立を通じて、地産地消を推進するこ
と。
(3)地域の特性を生かした生産の振興、経営安定施策の実施及び鳥獣害対
策の推進を通じて、農業経営の安定化を推進すること。
(4)実用性の高い農業技術及び特産品を開発し、及び普及するとともに、
情報化の推進を通じて、農業生産及び農業経営の高度化並びに農業者
及び農業関係団体の情報交換を促進すること。
(5)食と農に関する知識の普及及び情報提供並びに農業の体験による学習
機会の充実を通じて、食と農に対する県民の理解を促進すること。
(6)意欲ある農業の担い手の育成、新規就農の促進、女性の農業経営への
参画の支援、高齢者の農業に関する活動の機会の確保、地域の農作業
を受託する組織の育成及び農業者以外の県民の農業への参画を進める
ことを通じて、農業の多様な担い手の育成及び確保を推進すること。
(7)農地の利用の集積を促進し、及び生産条件の改善を推進することを通
じて、農業の生産性の向上を図り、ほ場その他の農業の生産基盤の確
保及び整備を推進すること。
(8)多様な担い手により農地の保全を促進し、耕作放棄地(以前耕作の用
に供されていた土地で、過去1年以内に耕作されず、かつ、当分の間
耕作される見込みのないものをいう。)の解消及び発生抑制を図るこ
と並びに共同して行う取組により農業用水その他の農業資源の保全を
促進することを通じて、農地の有効利用を促進すること。
(9)県民が農及び自然にふれあい、それらについて学ぶための施設の整
備、市民農園の整備並びに伝統文化その他の地域資源に接する機会の
充実を通じて、地域の農業を生かした県民と農業者との交流を推進す
ること。
(10)家畜排せつ物、食品廃棄物その他の未利用資源の有効活用を促進する
ことを通じて、地力(土壌の性質に由来する農地の生産力をいう。)
の増進及び農業経営の効率化を図り、農業の生産性の向上を推進する
こと。
(11)化学的に合成された農薬及び化学肥料の使用の抑制による環境への負
荷の少ない持続性の高い農業の普及を通じて、環境に調和する農業生
産を推進すること。
(12)その他都市農業の持続的な発展のために必要な施策を推進すること。
(指針の策定)
第8条 知事は、都市農業の持続的な発展に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図る
ため、都市農業の持続的な発展に関する指針(以下「指針」という。)を定めな
ければならない。
2 前項の指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1)都市農業の持続的な発展に関する総合的かつ長期的な目標及び施策の
方向
(2)前号に掲げるもののはか、都市農業の持続的な発展に関する施策を総
合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、社会経済情勢の変化及び農業を取り巻く環境の変化に迅速かつ柔軟に対
応するため、定期的に指針を検証し、必要に応じ指針の変更を行わなければなら
ない。
4 知事は、指針を定め、又は変更したときは、遅滞なくこれを公表するものとす
る。
(財政上の措置)
第9条 県は、都市農業の持続的な発展に関する施策を推進するために必要な財政上の措
置を講ずるよう努めるものとする。
(推進体制の整備)
第10条 県は、県民等及び市町村と連携して、都市農業の持続的な発展に関する施策の
総合的かつ計画的な推進を図るための効率的な体制を整備するものとする。
(審議会への諮問)
第11条 知事は、第8条第1項に定める指針を定め、又は変更しようとするときその他
都市農業の持続的な発展に関する重要事項に関し決定を行おうとするときは、
神奈川県都市農業推進審議会の意見を聴くものとする。
(委任)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
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■附則
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附則 抄(平成17年10月18日 条例第90号)
(施行期日)
1 この条例は、平成18年4月1日から施行する。
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