市議会の問題点(議案データ編)

目次
【調査】議員は議案を提出しているか?  2004.10.06 2005.10.11 改訂
【調査】えっ? これが議員提出議案?
    (その中身)
 2004.10.07 2005.10.11 改訂

【調査】議会はチェック機関としての
    
役割を果たしているか?

 2004.10.12 2005.10.11 改訂


【調査】議員は議案を提出しているか? ▲目次 ▲TOPページ

 議員の大事な仕事の一つに本会議への議案の提出があります。議案には、市(市長)から提出されるものと、議員から提出されるものとがありますが、はてさて、どちらの方が多いのでしょうか? 調べてみました。

  議員
提出議案

提出議案
合計(件)
14年度

30(14%)

182(86%)

212
15年度 16( 8%) 177(92%) 193
16年度 15( 7%) 191(93%) 206
17年度
(年度途中)
11(11%) 93(89%) 104
合計 72(10%) 643(90%) 715

 議案のおよそ9割が市提出のもの。議員提出議案はわずかに1割。議員ってお仕事してないんですねぇ。


議案 議会の議決を要するすべての案件。もっと平たくいうなら、学級会での議題のようなものです。だから、これが提出されないことには議会を開く意味がないってことにもなります。
議員提出議案は
わずかに1割
とはいうものの、議員が議案を提出するには8人以上の賛成者が必要です。少数会派にとっては不利ですね。つまり、議員8人以上の会派(党)がお仕事をしてないということになるでしょうか?

データは 2005年10月11日現在のものです



【調査】えっ? これが議員提出議案?
    (その中身)
▲目次

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 これまでに提出された議員提出議案の件数は次のとおりです。


  議員
提出議案
14年度

30

15年度 16
16年度 15
17年度
(年度途中)
11
合計 72


 さて、この数少ない議員提出議案の中身を見てみると、そのほとんどが国や県への意見書提出を提案したものです。しかし、意見書の提出提案は市民からの陳情請願採択すべきとした結果を受けて提出される場合が多いので、議員本来の発案とはいえません。(意味がないというわけではなく、議員自らが考えた政策的な議案ではないということを強調したいと思います。)

 そこで、上記の表から議員提出議案のうち意見書の提出に関する議案を除いた件数と市提出議案との件数を比較してみました。


意見書に関するものを除いた 議員提出議案 市提出議案 合計(件)
14年度 10(5%) 182(95%) 192
15年度 1(1%) 177(99%) 178
16年度 3(2%) 191(98%) 194
17年度
(年度途中)
4(4%) 93(96%) 97
合計 18(3%) 650(97%) 668


 なんと意見書提出に関する議案を除いた議員提出議案は平成14年度から平成17年度までの4年間でたったの18件。割合はわずか3%です。せっかくですから、その内容を全部見てみましょう。


 
年度
開催年
議案番号 内容 結果
1
H14
H14
第1回
臨時会
議第 1号議案 横浜市会会議規則の一部改正 可決
2
H14
H14
第1回
臨時会
議第 2号議案 横浜市会政務調査費の交付に関する条例の一部改正 可決
3
H14
H14
第2回
定例会
議第 6号議案 鈴木宗男衆議院議員の議員辞職を求める決議 否決
4
H14
H14
第2回
定例会
議第 8号議案 中央及び南西部農業委員会委員の推薦 可決
5
H14
H14
第2回
臨時会
議第 9号議案 議員除名処分の取消しの審決の申請の対応の方針 可決
6
H14
H14
第2回
臨時会
議第10号議案 議員除名処分の取消しの審決の申請の対応の方針 可決
7
H14
H14
第3回
臨時会
議第11号議案 議員除名処分の取消しの訴訟の対応の方針 否決
8
H14
H14
第3回
臨時会
議第12号議案 議員除名処分の取消しの訴訟の対応の方針 可決
9
H14
H14
第4回
定例会
議第24号議案

欠番(撤回)

欠番
10
H14
H14
第1回
定例会
議第28号議案 横浜市会委員会条例の一部改正 可決
11
H15
H15
第2回
定例会
議第 1号議案 特別委員会の設置 可決
12
H16
H16
第2回
定例会
議第 1号議案 横浜市会特別委員会設置議決の一部改正 可決
13
H16
H16
第1回
定例会
議第10号議案 政治倫理の確立のための市会議員の資産等の公開に関する条例の一部改正 可決
14
H16
H16
第1回
定例会
議第11号議案 横浜市会委員会条例の一部改正 可決
15
H17
H17
第2回
定例会
議第1号議案 横浜市会委員会条例の一部改正 可決
16
H17
H17
第2回
定例会
議第2号議案 横浜市会特別委員会設置議決の一部改正 可決
17
H17
H17
第2回
定例会
議第3号議案 横浜市中央及び南西部農業委員会委員の推薦 可決
18
H17
H17
第3回
定例会
議第11号議案 2008年主要国首脳会議の横浜開催を求める決議 可決


 ほとんど議会関係の議案ばかり(自分たちのことばかり)で政策と呼べる議案は1件もありません。残念ながら、これが横浜市議会の現在のレベルなんですね。なんだか目まいがしてきませんか?(T_T)


意見書 市民の生活にとって重要なことでも、それが国や県の仕事であったりして、市の力では解決できないことがある。このような時には地方自治法に基づき国や県(たとえば内閣総理大臣、県知事あて)に市議会の意見として意見書を提出して制度改善などを伝える。このとき提出する文書のことを意見書という。主に、意見書提出の請願や陳情を採択すべきとした結果を受けて、議員が議案として提案し、可決後提出される。意見書と似たものに「決議」がある。これも議会の意志を示すものではあるが、法的な根拠がなく行われる。
陳情 住民が国会や地方議会に対し何かを文書で要望することであるが、紹介議員は不要。陳情は委員会でのみ質疑討論・採決がされ、全議員が集まる本会議での採決はない。
請願 住民が国会や地方議会に対し、文書で希望を述べること。なお、請願には必ず請願内容に賛同して署名する議員が必要。これを紹介議員という。また決められた形式をもつ文書(記名捺印など)を提出することによって行う。請願はいつでも受け付けられるが、定例会ごとに受付期限がある。請願は、本会議で所管の委員会に審査の付託をし、最終的には本会議で採択・不採択が決定される。採択された請願は、行政の責任者である市長や関係する行政機関に送られ、住民の希望がかなえられるよう努力が促される。その後どのように処理されたのか、結果報告を聞くことが出来る。請願は、憲法で認められた国民の権利のひとつ。
採択 提出された請願の内容について、議会として賛同すること。否認する場合は不採択。

データは 2005年10月11日現在のものです



【調査】議会はチェック機関としての役割を
    果たしているか?
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 議会に課せられた役割として条例を制定する「立法機能」、市の仕事が正しく適切に行われているかを監視する「行政監視機能」があげられます。

 これまで見てきた通り「立法機能」に関しては、政策と呼べるような議員提出議案が1件もないことから、その役割を果たしているとはとても思えません。では、「行政監視機能」についてはどうでしょうか?

 市の仕事で議会のチェックが必要とされるものは「市提出議案」として議会に上がってきます。そこで、議会がきちんとチェック機能を果たしているかどうかを調べてみました。

  市提出議案 可決率
14年度 182 182(100%)
15年度 177 177(100%)
16年度 191 191(100%)
17年度
(年度途中)
93 93(100%)

 ご覧のように、14年度から17年度までの市提出議案はすべて可決されています。否決されたものは1件もありません。また、市の提出議案に対して対抗・修正議案が議員提出議案として議会に提出された形跡もありませんから、議会は市の仕事に対して何の注文もつけずに「オールオッケーです」という意思表明をしたととらえることができます。う〜む、議会では立法機能だけでなくチェック機能も働いていないようです。


否決されたものは
1件もありません
では、すべての会派(党)がすべての市提出議案に賛成の意を表明したのかというとそうではありません。ヨコハマ議会だよりには「議案に対する各会派の賛否一覧」が載っていて、これを見ると議案に反対している会派もあります。しかし、少数派であるため、多数決の結果、最終的には可決となるわけです。
何の注文もつけずに
「オールオッケーです」
これは少し大げさに書きすぎたかもしれません。委員会や本会議を傍聴していると、ちゃんと議員は市(職員)に注文をつけています。しかし、市(職員)に注文をつけるだけなら、議員でなくとも単なる一市民でもできるのです。大切なことは議案として提出し、議論をし、その過程をきちんと市民に公開するということであって、これは議員でなければできないことです。

データは 2005年10月11日現在のものです



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