市議会の問題点:費用弁償編

目次
第∞話 費用弁償廃止、だけどエンドロールは終わらない
2007.02.26

【費用弁償廃止】なんと不条理な わ〜い\(^o^)/

 
 
第2話 いったい、いつまでこの話は続くのだろう?
2006.04.01 【調査】費用弁償と根拠規定 2006.04.11 追記
2006.04.26 【応援】広がれ〜、費用弁償受け取り拒否議員の和! 2006.06.03 追記
 
第1話 2004.11.18 〜 2006.03.19
2004.11.18 【調査】費用弁償と根拠規定  2004.11.19 改訂
2004.12.17 【調査】費用弁償対象会議と公開度  
2005.01.17 【疑問】市長は知ってるのかな?
     費用弁償の総額が7,200万だってこと
 
2005.01.25 【提言】これだから市民がちゃんとチェック
     しなければダメなんだな
 
2005.02.01 【指摘】2年連続のノーチェック  
2005.03.01 【指摘】費用弁償分7,200万で、
     あれもできるし、これもできるじゃん
 2005.03.09 訂正
2006.03.19 【感謝】費用弁償廃止案提出、ありがとう\(^o^)/  


第∞話 費用弁償廃止、だけどエンドロールは終わらない
悲喜こもごもありて、笑うべきか泣くべきか迷うの図
【費用弁償廃止】なんと不条理な わ〜い\(^o^)/ ▲目次 ▲TOPページ

 さて、3年あまりをかけて追いかけてきた議員の会議出席手当である費用弁償ですが、それを廃止する議案が2月20日に議員提出議案として市議会に提出され、92人中91人の賛成を得て可決されましたことをここにご報告いたします。

わ〜い\(^o^)/

って、(子どもじゃあるまいし)誰がそう単純に喜ぶかいな。喜ぶ前に私にはするべきことがあって、それは、市民の願いに応えようと(党派や利害を超えて)真剣に動いてくれた人たちがいて、その人たちに向かって(数々の不条理を噛みしめながら)ただひたすら頭を下げることなのです。

本当にありがとうございました m(_ _)m

 だって、こんなことは自動で起こるわけがなく、誰もが多少の不安をかかえながらも、心と心を響き合わせ勇気をもって一歩前に歩もうとした結果でなければ起こらないことだもの。(わかるよね?)

 教育基本法の前文にはこうあるよ。

「我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。」

 そう、だから費用弁償が廃止されても、エンドロールは終わらない。



第2話 いったい、いつまでこの話は続くのだろう?
費用弁償廃止してくんないから怒るの図
【調査】費用弁償と根拠規定 ▲目次 ▲TOPページ

 横浜市では、本会議や委員会に出席した議員に1人1日当たり1万円の会議出席手当(費用弁償)がお給料(年平均 1,702 万)及び政務調査費(月 55 万円)とは別に支給されています。今回はこの費用弁償がどのような根拠規定のもとになされているのかを調べてみました。

 まずは、(国会で作られている)地方自治法第203条から。

-----------------------------------------------------------------------
地方自治法
第 203 条 普通地方公共団体は、その議会の議員、委員会の委員、非常勤の監
      査委員その他の委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査
      会等の委員その他の構成員、専門委員、投票管理者、開票管理者、
      選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公
      共団体の非常勤の職員(再任用短時間勤務職員を除く。)に対し、
      報酬
を支給しなければならない。

  2    前項の職員の中議会の議員以外の者に対する報酬は、その勤務日数
      に応じてこれを支給する。但し、条例で特別の定をした場合は、こ
      の限りでない。

  3    第一項の者は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることがで
      きる。

  4    普通地方公共団体は、条例で、その議会の議員に対し、期末手当を
      支給することができる。

  5    報酬、費用弁償及び期末手当の額並びにその支給方法は、条例でこ
      れを定
めなければならない。
-----------------------------------------------------------------------


ご覧のように第3項に「職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる」とあります。しかし、費用弁償の対象となる具体的な議員の職務については触れていません。しかも「(受けることが)できる」ですから、「(財政難だから)受けない」という選択肢も自治体の議会を構成する議員としてはあり得るわけです。

 それなのになぜ横浜市では、会議へ出席した議員に費用弁償がなされているのでしょう? ……という素朴な疑問はひとまずおいておいて、第5項に「額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。」とありますから、今度は(市議会で作られている)条例を調べてみましょう。


-----------------------------------------------------------------------
横浜市市会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例
(費用弁償)
第 5 条 議員が職務のため市外に出張したときは、旅費を支給する。

  2   前項の旅費は、横浜市旅費条例(昭和 23 年 10 月横浜市条例第 73
     号)中、特号の者に支給する額により、同条例を準用してこれを支給
     する。

  3   第 1 項に定めるもののほか、議員が議会の会議、常任委員会、市会
     運営委
員会又は特別委員会に出席したときは、費用弁償として日額
    
10,000 円を支給する。
-----------------------------------------------------------------------


これで横浜市の費用弁償の額が日額1万であることの根拠規定はわかりました。しかし、額の多さにとらわれてはいけません。そもそも費用弁償を地方自治法では「職務を行うため要する費用の弁償」と規定していました。

 では、(お給料や政務調査費とは別に)かかった費用を弁償しなければならない議員の職務とはなんでしょう? 上記条例によれば、「議会の会議、常任委員会、市会運営委員会又は特別委員会に出席すること」となります。そんなばかな!(>_<)

「会議に出席すること」は議員本来の職務であって、費用弁償の対象とするには無理がありますよね? こうなると「ではなぜ一人年平均 1,702 万ものお給料、そして月 55 万もの政務調査費が支払われているのですか?」と逆に議員に質問してみたくなります。

 こんなカラクリですから、最初にとっておいた素朴な疑問「なぜ横浜市では、会議へ出席した議員に費用弁償がなされているのでしょう?」の答えは、「自分たちに都合のよいように法律を解釈し、条例を作っている議員が多いから」ということになります。

 まぁ、議員任せにしておくと、とんでもない税金の使われ方や根拠規定作成がされてしまうというよい事例だと思います。だからこそ、議会を含め市政一般を日頃からチェックし、選挙で適正な議員を選ぶことが大事(棄権なんてとんでもない!)になってくるわけですね。

 そして、さらに前進しようとするならば 市長(行政)+議員(議会)+市民 の三位一体で根拠規定を作っていく(立法化していく)必要があるのでしょう。つまり、立法過程に市民が積極的に参加していくことが大事だということになります。声を出しましょう。

追記: 「財政難」で市民に協力してくれない議員が、「有事の際」に市民を守ってくれるとはとても思えないのですけれど。だって、有事に備えるにもお金がいるわけで……(それも莫大な)。それって、結局、市民の税金。

データは 2006年04月01日 現在のものです



【応援】広がれ〜、費用弁償受け取り拒否議員の和! ▲目次 ▲TOPページ

 さて、費用弁償をめぐるこれまでの経緯については、第1話をよくお読みいただくとして、横浜市の「財政難」にともなう「費用削減」を市民と痛みを分かち合う、「費用弁償の受け取りを拒否する」という形で行動で示してくれる議員が出てきてくれましたので、ここに一覧表示いたします。

 この「和」がどんどん広がり、やがては「費用弁償廃止」へと結実することを願ってやみません。しかし、費用弁償問題が議会でのつまらない対立軸になってしまうようなことは望んでいないので、「輪」ではなく「和」としました。そんな願いを汲みとって行動で示してくれる議員は、下記12議員の他に出てくるのか? 出てこないのか?特に自由民主党、民主党ヨコハマ会、公明党の3大会派から出てきてくれるのか?(横浜市の「財政難」は、まだ解消されていないはず。)次の選挙まで注目してみたいと思います。

 現在の「費用弁償受け取り拒否議員」は、ネット横浜(6/6名)、日本共産党(6/6名)の計12名です。ぱちぱちぱち〜。拍手。

追記: 若林智子議員(無所属クラブ:青葉区)は 2006年04月26日時点では費用弁償の受領拒否を表明されていましたが、2006年06月03日に費用弁償の受領拒否を断念したことをメールにてお知らせいただきました。

鶴見区 神奈川区 西区 中区 南区 保土ケ谷区 磯子区 金沢区 港北区
戸塚区 港南区 旭区 緑区 瀬谷区 栄区 泉区 青葉区 都筑区

鶴見区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
井上 さくら 無所属クラブ  
岩下 義正 民主党ヨコハマ会  
中島 文雄 日本共産党 \(^o^)/
牧嶋 秀昭 公明党  
山田 一海 自由民主党  
横溝 富和 民主党ヨコハマ会  
米盛 裕子 ネット横浜 \(^o^)/
     
神奈川区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
石井 睦美 公明党  
柴田 豊勝 日本共産党 \(^o^)/
杉山 典子 ネット横浜 \(^o^)/
中山 大輔 民主党ヨコハマ会  
福田 進 自由民主党  
藤代 耕一 自由民主党  
     
西区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
榊原 泰子 公明党  
清水 富雄 自由民主党  
     
中区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
伊波 洋之助 自由民主党  
福島 直子 公明党  
松本 研 自由民主党  
     
南区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
荒木 由美子 日本共産党 \(^o^)/
片桐 紀子 民主党ヨコハマ会  
鈴木 正之 自由民主党  
高梨 晃嘉 民主党ヨコハマ会  
仁田 昌寿 公明党  
     
保土ケ谷区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
斉藤 伸一 公明党  
坂井 太 自由民主党  
田中 忠昭 自由民主党  
中村 達三 自由民主党  
森 敏明 民主党ヨコハマ会  
     
磯子区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
浅川 義治 民主党ヨコハマ会  
太田 正孝 無所属クラブ  
加藤 広人 公明党  
関 貞彦 自由民主党  
中尾 智一 民主党ヨコハマ会  
     
金沢区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
相川 光正 自由民主党  
荻野 慶子 ネット横浜 \(^o^)/
小幡 正雄 民主党ヨコハマ会  
木村 久義 公明党  
黒川 澄夫 自由民主党  
谷田部 孝一 民主党ヨコハマ会  
     
港北区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
大山 正治 民主党ヨコハマ会  
川口 珠江 民主党ヨコハマ会  
酒井 喜則 自由民主党  
佐藤 祐文 自由民主党  
鈴木 義久 公明党  
高野 明子 日本共産党 \(^o^)/
畑野 鎮雄 自由民主党  
横溝 義久 民主党ヨコハマ会  
     
戸塚区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
宇都宮 充子 ネット横浜 \(^o^)/
内田 重雄 民主党ヨコハマ会  
大滝 正雄 公明党  
川辺 芳男 民主党ヨコハマ会  
鈴木 太郎 自由民主党  
星野 國和 民主党ヨコハマ会  
吉原 訓 自由民主党  
     
港南区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
池谷 泰一 民主党ヨコハマ会  
石上 恵子 ネット横浜 \(^o^)/
関 美恵子 日本共産党 \(^o^)/
瀬之間 康浩 自由民主党  
高橋 稔 公明党  
田野井 一雄 自由民主党  
     
旭区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
遠田 晴子 ネット横浜 \(^o^)/
大庭 悟彰 無所属クラブ  
梶村 充 自由民主党  
小粥 康弘 民主党ヨコハマ会  
佐藤 茂 自由民主党  
古川 直季 自由民主党  
和田 卓生 公明党  
     
緑区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
加藤 龍昭 自由民主党  
今野 典人 民主党ヨコハマ会  
斉藤 達也 自由民主党  
高橋 正治 公明党  
     
瀬谷区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
加納 重雄 公明党  
川口 正寿 自由民主党  
花上 喜代志 民主党ヨコハマ会  
     
栄区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
大桑 正貴 無所属クラブ  
岡本 英子 民主党ヨコハマ会  
角田 宏子 自由民主党  
     
泉区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
源波 正保 公明党  
中島 憲五 民主党ヨコハマ会  
松本 敏 民主党ヨコハマ会  
横山 栄一 自由民主党  
     
青葉区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
大貫 憲夫 日本共産党 \(^o^)/
菅野 義矩 民主党ヨコハマ会  
工藤 裕一郎 民主党ヨコハマ会  
手塚 静江 公明党  
山崎 誠 民主党ヨコハマ会  
横山 正人 自由民主党  
若林 智子 無所属クラブ
若林智子議員は2006年04月26日時点では
 費用弁償の受領拒否を表明されていまし
 たが、2006年06月03日に費用弁償の受領
 拒否を断念したことをメールにてお知ら
 せいただきました。
 
都筑区    
議員名
(五十音順)
会派 費用弁償
受取拒否
飯沢 清人 民主党ヨコハマ会  
大久保 純男 自由民主党  
嶋村 勝夫 自由民主党  
森 裕之 民主党ヨコハマ会  

データは 2006年06月03日 現在のものです



第1話 2004.11.18 〜 2006.03.19


【調査】費用弁償と根拠規定 ▲目次 ▲TOPページ

 横浜市では(横浜市に限らず多くの自治体で額は異なるが)本会議や委員会に出席した議員に1人1日当たり1万2千円の出席手当て(費用弁償)がお給料とは別に支給されています。今回はこの費用弁償がどのような根拠規定のもとになされているのかを調べてみました。

 まずは大本の地方自治法第203条から。

-------------------------------------------------------------------------
地方自治法
第 203 条 普通地方公共団体は、その議会の議員、委員会の委員、非常勤の監査
      委員その他の委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査会等
      の委員その他の構成員、専門委員、投票管理者、開票管理者、選挙
      長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公共団体
      の非常勤の職員(再任用短時間勤務職員を除く。)に対し、報酬を支
      給しなければならない。

  2    前項の職員の中議会の議員以外の者に対する報酬は、その勤務日数に
      応じてこれを支給する。但し、条例で特別の定をした場合は、この限
      りでない。

  3    第一項の者は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができ
      る。

  4    普通地方公共団体は、条例で、その議会の議員に対し、期末手当を支
      給することができる。

  5    報酬、費用弁償及び期末手当の額並びにその支給方法は、条例でこれ
      を定めなければならない。

-------------------------------------------------------------------------


ご覧のように第3項に「職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる」とあります。しかし、費用弁償の対象となる具体的な議員の職務については触れていません。しかも「(受けることが)できる」ですから、「受けない」という選択肢も自治体の議会を構成する議員としてはあり得るわけです。事実、費用弁償を廃止する自治体も増えてきています。それなのになぜ横浜市では、会議へ出席した議員に費用弁償がなされているのでしょう? ……という素朴な疑問はひとまずおいておいて、第5項に「額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。」とありますから、今度は横浜市の条例を調べてみましょう。


-------------------------------------------------------------------------
横浜市市会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例
(費用弁償)
第 5 条 職務のため、市外に出張したときは、旅費を支給する。

  2  前項の旅費は、横浜市旅費条例 (昭和 23 年 10 月横浜市条例第 73
     号)中、特号の者に支給する額により、同条例を準用してこれを支給す
     る。

  3  前項のほかに、職務を行うについて費用を必要とするときは、その費用
     を弁償する
ものとし、その額は、規則で定める。
-------------------------------------------------------------------------


 「職務を行うについて費用を必要とするときは、その費用を弁償するものとし、その額は、規則で定める。」とありますから、今度は規則を調べてみましょう。


-------------------------------------------------------------------------
横浜市市会議員の費用弁償に関する規則
(費用弁償の額)
第 2 条 条例第 5 条第 3 項の規定による費用弁償の額は、日額 12,000 円とす
     る。
-------------------------------------------------------------------------


 これで横浜市の費用弁償の額が日額1万2千円であることの根拠規定はわかりました。しかし、額の多さにとらわれていてはいけません。そもそも費用弁償を

  地方自治法では
   「職務を行うため要する費用の弁償」

  横浜市市会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例では
   「職務を行うについて費用を必要とするときは、その費用を弁償する」

と規定しています。

 では、(お給料とは別に)かかった費用を弁償しなければならない議員の職務とはなんでしょう? 次の要綱をみてください。


--------------------------------------------------------------------------
横浜市市会議員の費用弁償の支給範囲に関する要綱
(目的)
第1条 この要綱は,横浜市市会議員の報酬,費用弁償及び期末手当に関する条例
    (昭和31年8月条例第30条)第5条第3項の規定により,議員が職務を行
    うについて,費用を弁償する場合その支給対象を明確にすることにより,
    その執行の適正化を図ることを目的とする。


(支給対象)
第2条 費用弁償の支給対象は,次の各号に定める会議等に出席したときに支給す
    る

    (1)市会本会議
    (2)常任委員会
    (3)運営委員会
    (4)特別委員会
    (5)予算・決算特別委員会
    (6)委員会が設置する分科会,小委員会,理事会
    (7)全員協議会

 2  前項各号によるもののほか,議会としての職務と議長が認めたもの
-------------------------------------------------------------------------


 上記の要綱によれば、(お給料とは別に)かかった費用を弁償しなければならない議員の職務とは「会議に出席すること」なんだそうです。あはははは!(^o^) そんなばかな!(>_<) こうなると「ではなぜ一人平均 1,702 万ものお給料が支払われているのですか?」と逆に議員に質問してみたくなります。「会議に出席すること」は議員本来の職務であって、費用弁償の対象とするのには無理がありますよね?

 こんなカラクリですから、最初にとっておいた素朴な疑問「なぜ横浜市では、会議へ出席した議員に費用弁償がなされているのでしょう?」の答えは「要綱に規定されているから」ということになります。つまり、これまで払ってきたので、これからも払い続けますということなのでしょう。

 さらに上記要綱には「議会としての職務と議長が認めたもの」なんていう運用によっては、議員の職務がなんでも費用弁償の対象となってしまう可能性のある危ない規定もあることを指摘しておきます。

 まぁ、市長や議員任せにしておくと、とんでもない税金の使われ方や根拠規定作成がされてしまうというよい事例だと思います。だからこそ、議会を含め市政一般を日頃からチェックし、選挙で適正な議員を選ぶことが大事(棄権なんてとんでもない!)になってくるわけですね。

 そして、さらに前進しようとするならば 市長(行政)+議員(議会)+市民 の三位一体で根拠規定を作っていく(立法化していく)必要があるのでしょう。これは、この記事を書いている私自身の課題でもあります。

データは 2004年11月18日現在のものです



【調査】費用弁償対象会議と公開度 ▲目次 ▲TOPページ

 さて、(お給料とは別に)会議出席手当てとして支払われる費用弁償ですが、その支払い対象となる会議にはどんなものがあるでしょうか? また、それらの会議がきちんと市民に公開されているかどうか(傍聴&会議録)をチェックしてみました。△マークは直接傍聴ではなく、モニター傍聴です。

      (2003年5月より2004年6月まで開催された費用弁償対象会議)
種類 会議名 傍聴 会議録
本会議 本会議
常任委員会 都市経営総務財政
常任委員会 福祉衛生環境保全
常任委員会 経済港湾
常任委員会 都計道路下水
常任委員会 市民建築
常任委員会 大学教育
常任委員会 環境事業緑政消防
常任委員会 水道交通
予算特別委員会 第1理事会 × ×
予算特別委員会 第2理事会 × ×
予算特別委員会 第1委員会
予算特別委員会 第2委員会
決算特別委員会 第1理事会 × ×
決算特別委員会 第2理事会 × ×
決算特別委員会 第1委員会
決算特別委員会 第2委員会
市会運営委員会 理事会 × ×
市会運営委員会 委員会
特別委員会 大都市行財政制度
特別委員会 接収解除促進
特別委員会 情報化社会推進・災害対策
特別委員会 交通問題対策
特別委員会 少子・高齢化社会
特別委員会 青少年・市民スポーツ
その他 初当選議員研修会 × ×
その他 団長会議 × ×
その他 陳情・要望等 × ×
その他 予算研究会 × ×
その他 区づくり推進会議 × ×
その他 議会だより編集委員会 × ×
その他 議会のあり方調査会 × ×

 この財政難の折に手厚く、手厚く費用保障されている(くどいようですが、出席すれば1人1日当たり1万2千円ですぞ。)にもかかわらず、傍聴も不可で会議録も公開されていない会議が多すぎます。

 というか、情報公開請求してみて初めてその存在を知った会議もあります。どんな会議なのか、また「傍聴許可願い」を出しても傍聴不可となるのか試してみたくもありますが、開催日時がHP上で公開されているのは本会議と常任・特別委員会のみなので、「傍聴許可願い」を出そうにも、いつ出せばいいのかさえわかりません。毎日議会事務局に問い合わせなさいということなのでしょうか?(ええぃっ! そんな手間のかかることできないわいっ!)

 あとね、赤字太線の会議には是非とも市民参加を。じゃないと開いている意味ないでしょ? ほんと泣くよ。ぐっすん。(T_T) って、誰に言ってんだか。



【疑問】市長は知ってるのかな?
     費用弁償の総額が7,200万だってこと
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 情報公開請求して開示された文書から平成15年度に会議出席手当(視察を含む)として支払われた費用弁償の総額を計算してみたところ、総額は7,200万円となりました。そのうち、会議も会議録も非公開なものに支払われた額は1,008万円です。

 そもそもこの費用弁償、

   1.根拠規定がおかしい(お給料とは別に、会議に出席するともらえる)
   2.この財政難の折に高額(1人1日1万2千円)

というとんでもないしろものなのに、それを間近に見ているはずの市長がこれを廃止又は減額しようとしないことが不思議でなりません。市長もやっぱり身内には甘いということなのでしょうね。(議会と対立したくはないし、次の選挙のこともあるし、さらにその先のことも考えてるだろうし。)

 ただ、市民としてはこれで「協働」と言われてもピンときません。「議会(議員)は協働してくれないの?」と思ってしまいます。

 少なくとも(百歩譲ったとしても)……。非公開会議に支払われている1,008万円については、来年度は見直してもらいたいものです。市民にはなんのメリット(受益)もないのですから。


平成15年度 通常の会計年度は 4月1日から翌年の 3月31日までですが、今回は現議会になってから、いくら会議出席手当てとして費用弁償が支給されたのかを調べるために(統一選挙後の)2003年05月〜2004年3月までを集計してみました。


【提言】これだから市民がちゃんとチェックしなければ
     ダメなんだな
▲目次 ▲TOPページ

 さて、改めて指摘するのも嫌になるほど問題のある費用弁償ですが、これ、ちゃんと議会でチェックされているのでしょうか? 会議録をたどってみました。

  注1:議員への費用弁償は市会事務局が予算を請求しますので、当然決算も
     市会事務局が審査対象です。
  注2:現議会になってからの平成15年決算の会議録がまだ公開されてい
     ないので、平成14年決算の会議録から抜粋。また、会議録にない
     補足は青文字で記しました。


  横浜市会会議録検索システム

  http://giji.city.yokohama.jp/kaigiroku/

------------------------------------------------------------------------
(2003年10月20日 議員46名出席 費用弁償費 46×1.2=55.2万円)

【平成14年 決算第二特別委員会】

△市会事務局・人事委員会・監査事務局関係
                            午前10時00分開会

○(横溝[義]副委員長) ただいまから前回に引き続き決算第二特別委員会を開きます。

○(横溝[義]副委員長) お諮りいたします。

 市会事務局、人事委員会及び監査事務局関係の審査は御質問がございませんので、選挙管理委員会関係の審査を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○(横溝[義]副委員長) 御異議ないものと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

                              午前10時01分
      (この後、選挙管理委員会関係、および他局関係へと審査が続く)
-------------------------------------------------------------------------


 ご覧の通り、黙って見ていたら議員からは何の質問もなく、さよう決定されてしまいました。その間たったの1分です。これでわかりましたよね? 市民がちゃんと市政をチェックしなければならないワケが。最後に一句。

  働けど、働けど、我が暮らし豊かにならず……。じっと会議録をみる。

 議会のチェック能力がこのまま上がらずに、民間委託が今後増えていくとすると……。結局、市民の仕事が増えるだけ。ということになるのかもしれません。



【指摘】2年連続のノーチェック ▲目次 ▲TOPページ

 さて、前回は平成14年決算の会議録をチェックしましたが、つい最近、平成15年決算の会議録が公開されましたので、議員自ら、問題の費用弁償をチェックしているのかどうか調べてみました。

  注1:会議録にない補足は青文字で記しました。

  横浜市会会議録検索システム
  http://giji.city.yokohama.jp/kaigiroku/

------------------------------------------------------------------------
(2004年10月21日)

【平成15年 決算第二特別委員会】

△市会事務局・人事委員会・監査事務局・選挙管理委員会関係

                            午前10時00分開会

○(松本[研]副委員長) ただいまから前回に引き続き決算第二特別委員会を開きます。

○(松本[研]副委員長) お諮りいたします。

 市会事務局、人事委員会、監査事務局及び選挙管理委員会関係の審査は御質問がございませんので、都市経営局関係の審査を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○(松本[研]副委員長) 御異議ないものと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

                            午前10時01分
      (この後、都市経営局関係、および他局関係へと審査が続く)
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 ご覧の通り(予想通り?)、平成15年度分も議員から何の質問もなく、さよう決定されてしまいました。2年連続のノーチェックです。議会も市の一機関のはずなんですけどねぇ。自らの業績を振り返るなんてことは、絶対にしないみたいです。すごいな、議会って。これほど費用対効果の悪い機関もめずらしいかもしれません。



【指摘】費用弁償分7,200万で、あれもできるし、
     これもできるじゃん
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 横浜市が2月2日に発表した2005年度当初予算案では、「受益者負担の適正化」や 「社会的公平性・公正性」をうたい文句に利用者負担の導入や経費縮減策が盛り込まれました。

 その主なものは次のとおりです。

事業 内容 削減額
保育所運営
(保育料の見直し)
保育所運営事業費のうち保護者負担を2割と改定。ひとり親を除く市民税非課税世帯を有料化。時間延長サービス利用料(30分当たり月1700円)を徴収 9億3,100万円
生活保護費
(市単独援助)
生活保護費との重複支給を避け、小中学校入学祝い金品、修学旅行支度費、中学校卒業祝い金を廃止 1,200万円
市民利用施設 地区センター、青少年育成センター、地域ケアプラザ、消費生活総合センターなどに新たに利用料設定 1億2,600万円

区民文化センター、関内ホール、市民プラザ、公会堂、男女共同参画センターなどの利用料を改定

2,700万円
インフルエンザ
予防接種
65歳以上の対象者の自己負担額を1000円から2000円に 2億2,200万円
斎場運営 現在無料の休憩室を有料化(20人用2500円、40人用5000円) 1億 500万円
基本健康診査など 自己負担免除対象を現行の65歳以上から70歳以上に 2,800万円
がん検診 自己負担免除対象を現行の65歳以上から70歳以上に。自己負担額を検診経費の15%相当から20%に 1億2,200万円
高齢者ホームヘルプ 在宅重度要介護者へのサービス提供時間の上限を、現行の最大週18時間から週12時間に 1,300万円
在宅重度障害者
タクシー料金助成
初乗り料金障害者割引制度を踏まえ、助成単価を660円から590円に 1億8,200万円
                    (2005年年2月3日 神奈川新聞より)

 しか〜し、いくら財政難だとはいえ、これを「はい、そうですね。」と素直に受け入れることはできないのです。なぜなら、これまで見てきたように、議員への出席手当てである費用弁償は、そのままだからです。受益者負担の適正化? 社会的公平性・公正性? え〜、じゃあ、費用弁償の受益者は誰で、社会的にこれは公平なの? と思ってしまいます。

 そんな費用弁償の平成15年度分総額が7,200万円なんです。そして、上記表中の赤字部分の合計額が8,000万円。

 ということはですよ……。

「そもそも根拠規定がおかしいですし、この財政難の折に高額ですし、ここは市民と痛みを分かち合うという意味でも、よっしゃ、費用弁償は廃止しましょう!」

と言い出す議員がいて、そういった議員が過半数(91÷2≒46人)以上まで増えて一致団結してくれれば、浮いたお金は市民の痛みを多少なりとも減らす施策にまわすことができるということじゃあないですか。(わ〜い、議会とも協働だ! それならちょっと納得。)

 そういうことを言い出してくれる議員(=会派?)っていないのかな? 多少ですが、期待してます。そんな意味でも今回の予算議会は、議員のスタンスや力量がわかって楽しみです。「予算組替え動議」とか、出るかな?


平成15年度分総額 通常の会計年度は 4月1日から翌年の 3月31日までですが、今回は現議会になってから、いくら会議出席手当てとして費用弁償が支給されたのかを調べるために(統一選挙後の)2003年05月〜2004年3月までを集計してみました。
予算組替え動議

読んで字のごとく。市(市長)提出の予算案に対して「あの予算をこっちの施策に使いましょうよ。」と予算を組替えて使うことを求めること。修正案を必要とする予算修正動議とは異なり、議員(議会)は組替えを求める事項と金額を箇条書で明示した動議を出せばよい。

動議

議員が会議の途中で、予定議案以外のことがらを議題にすることを求めることであるが、動議を提出するにあたっては、会議規則で定めた人数以上(横浜市の場合は4人以上)の賛成者を必要とする。求めたことがらが議題として取り上げられるかどうかは会議における採決によって決まる。

また、修正動議の場合は8人以上の賛成者(横浜市の場合)を必要とし、あらかじめこれを議長に提出しなければならない。



【感謝】費用弁償廃止案提出、ありがとう \(^o^)/ ▲目次 ▲TOPページ

 なんだか不思議なことが起きた。前回、この財政難の折、

よっしゃ、費用弁償は廃止しましょう!」と言い出す議員がいないかなぁ?

と多少の期待を込めて書いたら、本当に費用弁償を廃止する議案を提出してくれた会派(党)がありました。単純にものすご〜くうれしいので、ここに感謝状を贈ります。

感謝状 −ありがとう−
ネット横浜 日本共産党
石上恵子(港南区) 荒木由美子(南区)
宇都宮充子(戸塚区) 大貫憲夫(青葉区)
遠田晴子(旭区) 柴田豊勝(神奈川区)
荻野慶子(金沢区) 関美恵子(港南区)
杉山典子(神奈川区) 高野明子(港北区)
米盛裕子(鶴見区) 中島文雄(鶴見区)

 結局、この2会派が提出した費用弁償廃止案は賛成少数で否決され、自由民主党、民主党ヨコハマ会、公明党の3大会派が提出した費用弁償減額案が賛成多数で可決されてしまいましたが、論理的でかつ市民要望にも沿っていたのは、ネット横浜と日本共産党が提出した費用弁償廃止案であると、一市民として私はここに表明するのでありました。


よっしゃ、費用弁償は廃止しましょう! 「よっしゃ」と書いたのは、3大会派からこそ廃止案を出して欲しかったからなのですが、願いは届かなかったみたいです。でも、こちとら、あきらめないんだいっ! 次は、全会派一致団結、協働しての費用弁償廃止案提出だよね。
減額案
1. 1人1日当たり1万2千円が支給されていた会議出席手当(費用弁償)を1万円に減額。
  (それでも日当1万円。いいなぁ、うらやましいなぁ。5分で終わっててももらえます。)
2. これまで計13の会議が支給対象だったものを本会議、常任委員会、特別委員会、議会運営委員会の4会議に限定。
  (1人年平均1,702万円のお給料とは別に、会議に出席するともらえることに、なんら変わりはありません。議員の出席回数が多いのが上記4会議だし。)

という案でした。そして、これが可決されましたので、来年度からはこのように支給されます。ウソでしょ? 誰かウソだと言ってよ〜。ってこれが本当だから怖いんだな。


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