市議会の問題点:議会基本条例編


目次
03 【問題点】みんなの党、傍聴許可願いに対し、反対に回る! 2012.07.07  
02 【報 告】声を上げて良かった!\(^o^)/ 2012.06.19  
01 【問題点】市民参加のない議会基本条例の制定  2012.06.18  


【問題点】みんなの党、傍聴許可願いに対し、反対に回る! ▲目次 ▲TOPページ
 前回、「やったぁ、ありがとうございます」と喜んだのも束の間、7月5日に開かれた委員会では、これまで傍聴願に対して賛成に回ってくれていたみんなの党の議員2名が、今回は反対に回ってしまいました。とても残念ですが、委員会終了後「横浜市会内部の事情をかんがみて、“実”を取るための結果であるのでご理解いただきたい」というご説明をいただきました。市民として理解はしがたいのですが、それでも“実”は取っていただきたく、ここに引き続きお願いするとともに、当初から直接傍聴に賛成していただいている2議員には、これまで以上に感謝いたします。

\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/

 それでは、肝心の“実”を含めた会議内容についてお知らせいたします。

1. (市民に関心を持ってもらうための?)ポスター作成について 資料1
2. 常任委員会等のインターネット中継・録画の実施について
↑これがみんなの党の2議員おっしゃるところの“実”です
資料2
3. 「議会と住民の関係」に関する検討項目に対する協議結果 資料3

 1のポスター作成については、ほぼ決まりのようです。ただ、「なんのためにポスターを作成するのか?」は、よくわかりません。「市民のみなさん、ぜひ議会に傍聴しにきてくださいね!(^-^)v」ということなのでしょうか? でも、そのことが話し合われているこの委員会自体が直接傍聴を許可していません。

 そこで、2の「常任委員会等のインターネット中継・録画の実施について」になるようです。委員会を開く部屋が狭いので、直接傍聴を許可すると傍聴人の気配が気になって言いたいことが言えなくなるから、直接傍聴は許可できないけれど、インターネット中継・録画ならいいですよ。ということらしいです。

 おっしゃっていることは、(百歩譲れば)わからなくもないですが、それが市民参加を前提として策定されるべき『議会基本条例』の制定に関する調査特別委員会で話し合われているところがすごいです。救いは、「直接傍聴? 大いにけっこうですよ\(^o^)/」という「議会基本条例」を制定する意味をしっかりと理解されている議員さんもいらっしゃることです。まずは、委員会自体をそういう議員さんたちで構成し直してから「議会(市会)基本条例」という名前を冠した委員会を作っていただきたいものです。

 そして、最も大事な3についてです。協議結果というところを見ると笑ってしまうのですが、「実施を団長会議に依頼する」とあります。市民からすると「じゃあこんな委員会開く必要ないじゃん! ポスターもいらないじゃん!(^_^;)」と言いたいところですが、まぁ、それはそれ、気長に見ていきたいと思います。

 それにしても……2007年3月以降、議員の会議出席手当であった費用弁償が廃止されて本当によかったです\(^o^)/ 廃止されていなければ、こんな会議に12万円が支払われるところでした。(もっとも歴史や前例を振り返れば、中には受け取らない議員さんも、もちろんいらっしゃるでしょうが……)

 

横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会所属議員名簿と
傍聴願に対する賛否一覧 2012年7月5日

賛否 議員名 役職 所属 選出区 当選回数
◎ \(^o^)/ 井上さくら  

無所属

鶴見区
◎ \(^o^)/ 荒木由美子   日本共産党 南区
× (T_T) 伊藤大貴   みんなの党 緑区
× (T_T) 有村俊彦   みんなの党 鶴見区
× (T_T) 嶋村勝夫 委員長 自由民主党 都筑区
× (T_T) 松本研   自由民主党 中区
× (T_T) 斉藤達也   自由民主党 緑区
× (T_T) 草間剛   自由民主党 都筑区
× (T_T) 花上喜代志 副委員長 民主党 瀬谷区
× (T_T) 今野典人   民主党 緑区
× (T_T) 和田卓生 副委員長 公明党 旭区
× (T_T) 高橋正治   公明党 緑区


 さて、上記結果だけを見ると一市民が横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会に対して直接傍聴を求めること自体が無謀のようにも思われますが、神奈川県下を眺めてみますと、『議会基本条例』を冠した委員会に関しては、直接傍聴と市民(住民)参加はごく当たり前であることがわかります。しつこいようですが、そのために議会基本条例を制定するのですから……。「横浜市会内部の事情」もわからなくはないですが、もう少し広い目で見ていただきたいと思います。


横浜市議会 策定中 横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会、委員12名中、10名(自民・民主・公明・みんなの党)が傍聴を許可せず、市民参加のないままに策定中!
愛川町議会

条例

平成23年6月15日
厚木市議会 なし

 

綾瀬市議会 なし  
伊勢原市議会 なし  
海老名市議会 なし  
大磯町議会 条例 平成21年7月29日
大井町議会 条例 平成20年9月5日
小田原市議会 策定中 横浜市とは異なり議会基本条例特別委員会は直接傍聴可/市民フォーラムも開催!
開成町議会 条例 平成22年3月26日
神奈川県議会

条例

平成20年12月26日
鎌倉市議会 なし  
川崎市議会 条例 平成21年6月23日
清川村議会 なし  
相模原市議会 なし  
寒川町議会 なし  
座間市議会 なし  
逗子市議会 なし  
茅ヶ崎市議会 条例 平成23年3月4日
中井町議会 なし  
二宮町議会 策定中 横浜市とは異なり議会基本条例制定特別委員会は直接傍聴可/公開講演会やタウンミーティングも開催!
箱根町議会 なし  
秦野市議会 条例 平成23年6月9日
葉山町議会 条例 平成21年7月1日
平成23年9月13日
平塚市議会 なし  
藤沢市議会 なし  
松田町議会 なし  
真鶴町議会 条例 平成24年3月
三浦市議会 策定中 横浜市とは異なり議会基本条例策定等特別委員会は直接傍聴可
南足柄市議会 なし  
山北町議会 なし  
大和市議会 策定中 横浜市とは異なり議会基本条例検討協議会は設置要領を作成し、会議は原則公開・傍聴人の発言も認められる場合がある
湯河原町議会 条例 平成18年12月12日
横須賀市議会 条例 平成22年6月25日

データは 2012年7月5日現在のものです



【報 告】声を上げて良かった!\(^o^)/ ▲目次 ▲TOPページ

 日本は民主主義国家(のはず)です。でも、その「民主主義」を実感している人は、少ないのではないでしょうか? 私もこうして自分の住む自治体をチェックし始めるまでは選挙に行くくらいで、「そもそも民主主義って何?」という状態でした。

 イギリスの政治家であり学者であるジェームズ・ブライスは「地方自治の実践は、民主主義の学校であり、民主主義を成功させる最良の保証(人)である」と言っています。

 それでも、横浜は大都市のせいでしょうか、議会と市民の距離が地理的にも、心情的にも遠く、なかなか民主主義を体感・実感する機会が少ないのが実情です。

 しかし、それだからこそ議会基本条例を制定する必要があるのです。議会基本条例とは、おおまかに言えば「議会に関する基本的事項について定めた条例」のこと。ただし、市民にとって“生きた条例”“実効性のある条例”とするためには、この条例の中で「(市民との意見交換を含む)議会報告会の開催」や「陳情・請願における請求者の意見陳述」などの市民参加と参加の前提となる情報公開を議会基本条例の条文の中で保障する必要があります。こうして市民と議会(議員)の約束事を条文に盛り込み、実践していくことによって、市民と議会(議員)との距離も縮まり、お互いに成長していくことができるのです。それがジェームズ・ブライス言うところの地方自治の実践、民主主義の学校ではないでしょうか?

 でも、実現は難しそうです。なぜなら、「市民にはなるべく参加してほしくない」し、「(市民に隠したまま)自分たちに都合のよいように議会基本条例を作ってしまおう」と思っている議員さんが多いからです。

 それでも、「声を上げ、行動して良かった!」と思えることが起きました。「(条例を制定する前に)まずはこの委員会から市民参加と情報公開を保障してください!」という意味を込めて、前回に引き続き2012年4月5日に横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会に傍聴願を出したところ、賛成議員が2名増えて4名となりました。やったぁ、ありがとうございます\(^o^)/

 

横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会所属議員名簿と
傍聴願に対する賛否一覧
 2012年4月5日

賛否 議員名 役職 所属 選出区 当選回数
◎ \(^o^)/ 井上さくら  

無所属

鶴見区
◎ \(^o^)/ 荒木由美子   日本共産党 南区
◎ \(^o^)/ 有村俊彦   みんなの党 鶴見区
◎ \(^o^)/ 伊藤大貴   みんなの党 緑区
× (T_T) 草間剛   自由民主党 都筑区
× (T_T) 斉藤達也   自由民主党 緑区
× (T_T) 嶋村勝夫 委員長 自由民主党 都筑区
× (T_T) 松本研   自由民主党 中区
× (T_T) 今野典人   民主党 緑区
× (T_T) 花上喜代志 副委員長 民主党 瀬谷区
× (T_T) 高橋正治   公明党 緑区
× (T_T) 和田卓生 副委員長 公明党 旭区

データは 2012年4月5日現在のものです



【問題点】市民参加のない議会基本条例の制定 ▲目次 ▲TOPページ

 統一地方選後の横浜市議会に「横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会」が設置されました。「大いに歓迎します!」と言いたいところですが、ちよっと待って! 場合によっては、文言だけが整い、実質的には何の功果ももたらさない、とんでもないアクセサリー条例が出来上がりそうな気配もします。というのは、この特別委員会自体が市民に非公開だからです。

 そもそもなぜ議会基本条例を制定するのでしょう? 政策シンクタンクの東京財団は、これからの地方議会には市民の意思を的確に把握する仕組みや制度が必要であり、それを明文化するために議会基本条例を制定するのだと言っています。この端的な表現に、一市民の私も「まさにその通り!」の思いです。逆にいえば、「市民参加と情報公開」を保証しないような議会基本条例は、作ったところで実効性を持たないということになります。

 だからこそ、「横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会」の設置は「市民の意思を的確に把握するための仕組みや制度づくり」への第一歩とならなければいけないはずです。そのこと自体をわかってもらいたいと、12月1日、私はこの調査特別委員会に直接傍聴を認めてくれるよう傍聴願を出してみました。結果は10対2で不許可。直接傍聴は認められず、モニター傍聴となってしまいました。せっかく議場に足を運びながら、結局テレビと睨めっこ。これほどムナしいことはありません。しかし、それだからこそ、少数ではあれ、「市民参加と情報公開」を保証しようとしてくれた2人の議員に感謝するとともに、議会基本条例から魂が抜けてしまわないよう、しっかリとこれからも傍聴し続けようと思ったのでありました。

 そして、一人でも多くの議員さんにご賛同をいただき、一日でも早く市民参加できることを願って、以下に採決結果を記させていただきます。

 

横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会所属議員名簿と
傍聴願に対する賛否一覧
 2011年12月1日

賛否 議員名 役職 所属 選出区 当選
回数
◎ \(^o^)/

井上さくら

 

ネット・無所属クラブ

鶴見区
◎ \(^o^)/ 荒木由美子   日本共産党 南区
× (T_T) 草間剛   自由民主党 都筑区
× (T_T) 斉藤達也   自由民主党 緑区
× (T_T) 嶋村勝夫 委員長 自由民主党 都筑区
× (T_T) 松本研   自由民主党 中区
× (T_T) 今野典人   民主党 緑区
× (T_T) 花上喜代志 副委員長 民主党 瀬谷区
× (T_T) 高橋正治   公明党 緑区
× (T_T) 和田卓生 副委員長 公明党 旭区
× (T_T) 有村俊彦   みんなの党 鶴見区
× (T_T) 伊藤大貴   みんなの党 緑区

データは 2011年12月1日現在のものです



TOPページへもどる