真鶴町議会基本条例

真鶴町議会基本条例

制定:平成24年3月5日 条例第1号

真鶴町議会基本条例

目次

前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第3条・第4条)
第3章 町民と議会の関係(第5条・第6条)
第4章 議会及び議員と町長等の関係(第7条~第12条)
第5章 自由討議による合意形成(第13条)
第6章 議会防災活動(第14条)
第7章 議会組織の充実(第15条~第19条)
第8章 議員定数、議員報酬及び政治倫理(第20条~第22条)
第9章 補則(第23条)
附則

前文

 ひかり輝く相模の海と緑豊かな美しい半島の町 真鶴

 豊かな海の幸と、それを支える魚付き保安林のお林という、素晴らしい恵みを享受する美しい半島の町 真鶴

 私たち真鶴町民は、先人から受け継いだ歴史あるこの町を愛し、誇りとする。いつまでも心ふれあう住みよい町をめざして、真鶴町議会はたゆまぬ努力を惜しまない。

 議会は、町民の代表機関として、更に真鶴町の議決機関として、町民福祉の向上と活力ある豊かなまちづくりの実現のために、町民参加に基づき、政策決定並びに事務執行について監視及び評価を行うとともに、政策立案と政策提言を行わなければならない。

 住民自治が強く求められる時代の中で、議会の果たす役割は、今後一層重要となる。よって、議会及び議員は、豊かなまちづくりに限りない努力を続けるため、その使命と責任を強く自覚し、ここにこの条例を定める。

第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、町民の代表機関としての真鶴町議会(以下「議会」という。)が議会運営及び議員活動の活性化と充実に必要な基本的事項を定めることにより、政策立案機能、町政の監視機能を発揮し、町民への情報公開及び説明責任を果たすとともに、町民参加を基本とした透明性のある開かれた議会運営を行い、もって活力ある豊かなまちづくり及び町民福祉の向上に寄与することを目的とする。

(最高規範性)
第2条 この条例は、議会運営における最高規範であって、議会に関する他の条例、規則等を制定し、又は解釈する場合は、この条例に定める事項との整合を図らなければならない。

2 議会及び議員は、この条例及び議会に関する他の条例、規則等を遵守して議会を運営しなければならない。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)
第3条 議会は、町民から直接選挙された議員をもって構成する議決機関であることを常に自覚し、公正性、透明性及び信頼性を重んじるとともに、町民に開かれた議会運営をめざすものとする。

2 議会は、議会の活動に関する情報公開を推進するとともに、町民の多様な意見を町政に的確に反映させることができるよう、意思決定の過程に町民参加の機会を確保するよう努めるものとする。

3 議会は、住民自治の観点から適切な意思決定を行うため、政策形成に関する機能の強化を図るものとする。

4 議会は、町の政策の実施について、常に町民の立場から監視し、評価するものとする。

(議員の活動原則)
第4条 議員は、議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互の自由な討議を尊重しなければならない。

2 議員は、個別の事業又は一部の地域に係る利益にのみ捉われることなく、町民全体の福祉の向上をめざして活動しなければならない。

3 議員は、町政の課題全般について、町民の意見、要望等を的確に把握するよう努めなければならない。

4 議員は、町政の課題に関する調査及び研究を積極的に行うとともに、自己の資質を高める不断の研さんにより、政策立案に関する能力を向上させ、政策の提言及び提案を広く行うよう努めなければならない。

第3章 町民と議会の関係

(町民参加及び町民との連携)
第5条 議会は、町民に対し、議会の活動に関する情報を積極的に、かつ、わかりやすい表現を用いて発信し、説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、議員の活動に対する町民の評価が的確に行われるよう、議員の議案に対する賛否の結果を公表するものとする。

3 議会は、本会議その他全ての会議を原則として公開するものとする。

4 議会は、町民に対し、あらかじめ、会議の日程、議題その他の会議の運営に関し、必要な事項を周知しなければならない。

5 議会は、会議規則で定める町民の傍聴に関し、議案の審議資料の配布その他の方法により、町民の会議の傍聴を促進する方策を講ずるよう努めるものとする。

6 議会は、請願及び陳情を町民による政策の提案と位置付け、誠実に対応するものとする。

7 議会は、町民の多様な意見を町政に的確に反映させるため、必要に応じて、町民との意見交換会を開催するものとする。

(議会報告会の開催)
第6条 議会は、町民への説明責任を果たす方策の一つとして、議会報告会を毎年1回以上行うものとし、町民から意見があったときは町長に提出するものとする。

2 議会報告会の実施要綱は、別に定める。

第4章 議会及び議員と町長等の関係

(町長等との関係に関する基本原則)
第7条 議会は、町長その他の執行機関及びその職員(以下「町長等」という。)と常に緊張ある関係を築き、事務の執行に関する監視及び評価を行うとともに、政策立案及び町長等に対する政策の提言又は提案を通じて、町政の発展に取り組まなければならない。

2 議会及び町長等は、前項の取組を行うに当たっては、相互の権限を尊重しつつ、対等な関係で議論しなければならない。

(緊張関係構築のための方策)
第8条 議長から会議への出席を要請された町長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問等に対してその論点を明確にするため、反問することができる。

2 本会議における一般質問は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答方式で行うことができる。

3 町長等は、一般質問における通告制の趣旨を認識し、討議の充実を図る観点から、議員に対して事前に答弁骨子を提出しなければならない。

4 議員は、議会の会期中又は閉会中にかかわらず、議長の承認を得て、町長等に対して文書で質問することができる。

(政策等の形成過程に関する説明)
第9条 議会は、重要な政策、計画、施策、事業等(以下「政策等」という。)について提案を受けたときは、議会の審議における論点を整理し、その水準を高めるため、町長に対し、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。

(1)政策等を必要とする背景及び経緯
(2)政策等について町民参加の実施の有無及びその内容
(3)他の地方公共団体の類似する政策等との比較検討
(4)総合計画との整合性
(5)関連する法令及び条例、規則等
(6)政策等の実施に係る財源措置
(7)将来にわたる政策等の費用負担及びその効果
(8)その他審議において必要となる事項

2 議会は、政策等の審議に当たっては、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(予算・決算における説明資料の作成)
第10条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、町長等に対し、前条第1項の例にならい、わかりやすい施策別又は事業別の説明資料を作成するよう求めるものとする。

(議決権の行使及び政策の提言等)
第11条 議会は、議決権並びに町長の提案する議案についての修正権及び提案権を適正に行使するとともに、条例案の提案その他の権限の行使を通じて、積極的に政策の提言又は提案を行うものとする。

(地方自治法第96条第2項の議決事件)
第12条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定による議会の議決事件は、議会と町長等が共に町民に対する責任を担いつつ、町民の視点に立った透明性の高い判断をすべきものとして、次に掲げるところによる。

(1)真鶴町の基本構想又は基本計画を定めること。
(2)前号に定めるものを除くほか、町民の生活に重大な影響を及ぼすことが予想される計画を定めること。
(3)地方自治法第221条第3項に規定する法人に対して出資すること又は法人に対して出資することにより当該法人が同項に規定する法人となる当該出資に関すること。
(4)別に条例で定めるものを除くほか、公有財産である土地(その土地の定着物を含む。)を処分すること。
(5)他の地方公共団体との姉妹都市協定等を締結すること。

第5章 自由討議による合意形成

(自由討議による合意形成)
第13条 議会は、議員による議論を充実させるため、町長等に対する会議への出席の要請を必要最小限に抑えるとともに、議員相互の討議を中心として運営するものとする。

2 議員は、前項の討議を行うに当たっては、町長等又はその所属する政党、会派等の方針又は意見に過度に捉われることなく、自由な討議を通じて合意形成を図るよう努めなければならない。

第6章 議会防災活動

(議会防災活動)
第14条 議会は、災害から町民の生命、身体及び財産を守ることを優先すべき事項として、町長その他防災に関する活動組織と連携して、防災活動に取り組むものとする。

2 議会は、自主的な防災活動を行うため、町長が定める防災計画と連携した議会防災危機管理要綱を別に定めるものとする。

第7章 議会組織の充実

(特別委員会の設置等)
第15条 議会は、常任委員会及び議会運営委員会のほか、新たに生じる行政課題に的確かつ迅速に対応するため、必要に応じて、特別委員会を設置するものとする。

2 議会は、前項の特別委員会を設置しようとするときは、その目的を明確にしなければならない。

3 第1項に規定する委員会の運営については、真鶴町議会委員会条例(昭和41年真鶴町条例第6号)に定めるところによる。

(議員研修の充実強化)
第16条 議会は、議員の政策形成、政策立案等に係る能力の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めるものとする。

2 議会は、議員研修を実施しようとするときは、その必要性、効果等を考慮した研修計画を作成しなければならない。

3 町長等は、議会から研修計画の提出があったときは、その内容を踏まえ、必要な協力をするよう努めなければならない。

4 議会は、議員研修に関する方針等について議員研修要綱を別に定める。

(議会広報の充実)
第17条 議会は、情報技術その他の多様な媒体を活用することにより、多くの町民が議会及び町政に関心を持つよう、議会活動に関する広報を行うものとする。

2 前項の広報は、速やかに、かつ、わかりやすい表現を用いて行われなければならない。

(議会事務局の体制整備)
第18条 議会は、議会又は議員の行う政策形成及び政策立案能力を高めるために、調査機能として議会事務局の体制整備の強化をするよう努めなければならない。

2 町長等は、議会又は議員の行う政策形成及び政策立案を支援するため、財政措置、情報の提供その他の必要な措置を講じるよう努めなければならない。

(議会図書室の整備)
第19条 議会は、議会又は議員の行う調査研究に資するため、議会図書室に置く図書等を充実させ、有効に活用するよう努めるものとする。

第8章 議員定数、議員報酬及び政治倫理

(議員定数)
第20条 議員定数は、真鶴町議会の議員の定数を定める条例(平成14年真鶴町条例第12号)に定めるところによる。

2 議会は、議員定数を変更しようとするときは、議員の役割、責務、活動等のほか、社会経済情勢、町民の客観的な意見等を考慮するものとする。

3 議員の定数を変更する条例案は、地方自治法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合及び、町長が提案する場合を除き、委員会又は議員が提案するものとする。

(議員報酬)
第21条 議員報酬は、真鶴町議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例(昭和31年真鶴町条例第10号)に定めるところによる。

2 議会は、議員報酬を変更しようとするときは、議員の役割、責務、活動等のほか、社会経済情勢、町民の客観的な意見等を考慮するものとする。

3 議員の報酬額を変更する条例案は、地方自治法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合及び、町長が提案する場合を除き、委員会又は議員が提案するものとする。

(議員の政治倫理)
第22条 議員は、町民の代表者としてその倫理性を常に自覚し、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

2 議員は、真鶴町議会政治倫理条例(平成24年真鶴町条例第2号)を規範とし、遵守しなければならない。

第9章 補則

(見直し手続)
第23条 議会は、一般選挙を経た議員の任期が開始した後、速やかに、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討し、その結果を議長に報告するものとする。

2 議会は、前項の検討の結果、この条例を改正する必要があると認めたときは、所要の措置を講ずるものとする。

3 議会は、この条例を改正する条例案の審議に当たっては、町民に対し説明責任を果たすため、本会議において改正の背景及び理由を詳しく説明しなければならない。

附 則

この条例は、平成24年7月1日から施行する。