二宮町議会基本条例

二宮町議会基本条例

制定:平成25年2月27日 条例第1号

二宮町議会基本条例

目次

前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会と議員の活動原則(第3条―第6条)
第3章 議会運営(第7条―第11条)
第4章 町民と議会との関係(第12条―第16条)
第5章 議会と町長等との関係(第17条―第19条)
第6章 議会の体制整備(第20条―第24条)
第7章 補則(第25条―第27条)
附則

前文

 平成12年4月に地方分権一括法が施行され、地方分権化が推進される中で、二宮町は自己決定と自己責任による、町の特徴を生かした個性ある自立したまちづくりを図ってきた。そして、町民が自らまちづくりをするという意識が高まり、町政への町民参画が促進されている。

 主権者である住民の信託を受けた議会と町長には、二元代表制の下で町民の意思を反映した最良の決定に導く使命が課せられている。

 議会は、意思決定をする機関として、議会の公正性と透明性の確保はもとより、議員間の論点並びに争点を町民に分かりやすくして、より多くの民意を反映した討議と議決をしなければならない。また、町長その他の執行機関に対する監視及び評価の機能を持ち、その責任と役割は重大である。さらに、常に変化する時代背景の中で町の課題を的確に把握し、多様な民意を反映して、政策立案及び政策提言を積極的に行わなくてはならない。

 議会へさらなる町民参画を促進する改革を進める決意の下で、各議員が自覚と見識をもって、町民の負託に応えるべく的確な議会運営を目指し、ここに議会基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、二宮町議会(以下「議会」という。)の議会運営及び二宮町議会議員(以下「議員」という。)に関わる基本事項を定め、議会の情報公開と町政への町民参加を基本として、公正で民主的な議会の推進により、町民の福祉の向上及び豊かなまちづくりに貢献することを目的とする。

(条例の位置づけ)
第2条 この条例は、議会の基本となる事項を定めるものであり、議会に関する条例、規則、規程及び要綱の解釈並びに制定及び改廃に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合を図らなければならない。

第2章 議会と議員の活動原則

(議会の活動原則)
第3条 議会の活動原則は、次に定めるとおりとする。

(1)議会は、議会活動の公正性及び透明性を確保し、議会の信頼性を高める。

(2)議会は、町民の多様な意見を踏まえ、論点及び争点を明らかにしながら充実した議会審議を行う。

(3)議会は、議決に至るまでを町民に明確に説明することで議決責任を果たす。

(4)議会は、町民にとって開かれた議会にする。

(5)議会は、町民にとって分かりやすい議会にする。

(議員の活動原則)
第4条 議員の活動原則は、次に定めるとおりとする。

(1)議員は、議員相互の言論を尊重するとともに、自由討議を推進する。

(2)議員は、町民の多様な意見の把握に努める。

(3)議員は、特定の地域又は個人若しくは団体の意向にとどまらず、町民全体の福祉の向上を目指す。

(4)議員は、積極的に政策立案及び政策提言を行う。

(5)議員は、自らの議会活動について、積極的に情報提供を行う。

(6)議員は、調査及び研修の他、自らの資質向上を図るために、不断の研鑽に努める。

(議員の政治倫理)
第5条 議員は、町民の代表者として、町政に携わる責務を深く認識し、町民の負託に応えるため、政治倫理の向上に努めなければならない。

(会派)
第6条 議員は、会派を結成することができる。

2 会派は、政治的信条及び政策等を共有する同一の理念を持つ議員で構成する。

3 会派は、議員が第4条に規定する責務を果たすための活動を支援する。

第3章 議会運営

(議会運営の原則)
第7条 議会は、その機能を発揮し、円滑かつ効果的運営を行い、合議制の機関としての役割を果たす。

(委員会活動)
第8条 議会は、社会並びに経済情勢等の変化により新たに生じる課題に適切かつ迅速に対応するため、二宮町議会委員会条例(昭和38年二宮町条例第17号)に規定する常任委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)の適切な運営により、その機動力を高めなければならない。

2 委員会は、政策提案及び条例提案を積極的に行う。

3 委員会は、町長その他の執行機関(以下「町長等」という。)の事務が適正に執行されているかについて、必要に応じ、評価又は調査等を行うことができる。

4 委員会は、前2項に関し公聴会制度及び参考人制度を採り入れ、専門的識見を活用することができる。

(自由討議)
第9条 議員は、議会の機能を発揮するため積極的に議員相互の自由討議に努め、議論を尽くすことにより、論点及び争点を明らかにする。

(政策討議)
第10条 議会は、本会議及び委員会において町政の課題について積極的に政策討議を行う。

(政務活動費)
第11条 議員は、二宮町政務活動費の交付に関する条例(平成13年二宮町条例第1号)の規定により交付を受けた政務活動費について、当該条例及び規則に基づき適正に執行し、町民に対し使途の説明責任を負う。

第4章 町民と議会との関係

(会議の原則公開)
第12条 議会における全ての会議は原則として公開とする。

(議会情報の公開及び広報)
第13条 議会は、この条例の趣旨に基づき、議会活動に関する情報を町民と共有するために積極的に公開し、広報する。

(議会報告会及び意見交換会)
第14条 議会は、その活動を広く町民に知らせるため議会報告会を開催する。

2 前項に定める報告会の他、議会は政策形成に関する事項及び町政に関する意見交換を行うため、町民との意見交換会を開催する。

(請願及び陳情)
第15条 議会は、請願及び陳情を政策提案と位置づけ、審議において提出者の意見を聴く機会を設けることができる。

(意見提案手続き)
第16条 議会は、議会が提案する条例又は政策提案について、町民の意見を求めることができる。

第5章 議会と町長等との関係

(町長等との関係)
第17条 議会は、二元代表制の下、町長等と緊張ある関係を保ちながら町長等の事務の執行監視及び評価を行うとともに、政策立案及び政策提言を行う。

2 本会議の一般質問においては論点及び争点を明らかにするために一問一答方式で行う。

3 本会議に出席し一般質問に答弁する者は、反問権を使用することができる。

(町長等の政策形成過程の説明)
第18条 議会は、町長等が提案する政策、施策、計画及び事業提案等(以下「政策等」という。)について、特に重要と認められるものは、審議を通じその政策等の水準を高めるとともに、議決責任を担保するため、町長等に対し、次の各号に掲げる事項について明らかにするよう求める。

(1) 政策等の背景
(2) 他の自治体の類似する政策等との比較
(3) 総合計画等における根拠、位置づけ
(4) 実施にかかる費用及び財源
(5) 政策等の効果
(6) 町民参加の有無とその内容

(議会の議決事件)
第19条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項に規定する議会の議決する事件は、次に定めるとおりとする。

(1)二宮町総合計画基本構想

(2)その他町政の各分野における政策及び施策の基本的な方向性を定める長期にわたる計画又は指針(行政内部の管理に関わる計画又は指針を除く。)のうち、特に重要なものの策定又は変更

第6章 議会の体制整備

(議員の研修)
第20条 議会は、議員の資質向上を図るために議員研修の充実強化に努める。

(議会事務局の機能充実)
第21条 議会は、議会の政策立案機能向上のため、議員の政策立案活動を補助し、また、議会運営を円滑かつ効率的に進めるため、議会事務局の調査及び法務に関する機能の充実を図る。

(図書資料の充実)
第22条 議会は、議員の調査研究に資するため、図書資料等の充実を図る。

(予算の確保)
第23条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議事機関としての機能を充実するため、必要な予算の確保に努める。

(危機管理)
第24条 議会は、災害等の不測の事態から町民等の生命・身体及び財産又は生活の平穏を守るとともに、緊急時における総合的かつ機能的な活動が図れるよう、町長等と協力し、議会の危機管理体制を整える。

2 議会及び議員は、町内の状況を調査し、町民の意見及び要望を的確に把握するとともに、必要に応じ町長等に対し、議会として提言及び提案を行う。

第7章 補則

(条例の継承)
第25条 議会は、選挙を経た任期開始後、議員全員がこの条例の趣旨を理解し、かつ、共有するため速やかに研修会を実施する。

(条例の改正)
第26条 議会は、この条例の目的が達成されているか検証を随時行い、制度の改善が必要な場合において、この条例の改正を行う。

2 前項の規定にかかわらず、条例の検証は少なくとも任期中1回は行う。

(議会基本条例推進委員会の設置)
第27条 この条例を適切に運用するため、二宮町議会基本条例推進委員会を設置する。

附 則

この条例は、平成25年4月1日から施行する。